有病者歯科医療
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脳膿瘍より歯周病原因菌Porphymmonas gingivalisが検出された1例
原 ケイ子
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2003 年 12 巻 2 号 p. 67-71

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抄録

脳膿瘍から嫌気性菌で歯周病の主要な原因菌Porphyromonas gingivalisが検出された1例を報告する. 患者は反復する左側頭部疼痛を主訴とする52歳の男性で, 左側頭葉から頭頂葉にかけて著明な浮腫を伴う径3cm大の膿瘍がみられた. 全顎におよぶ重度の歯周病巣以外に明らかな感染源は認められないことから, 本菌は歯周病部からの血行性播種と推定された. 近年歯周病と虚血性心臓病や動脈硬化症などの疾患との関連が注目されており, 本症例は歯周病と全身性疾患との関係解明の糸口となる興味深い症例であり, 日常的な嫌気性菌培養検査としてPorphylomonas gingivalisの検出ができるようになることが望まれる.

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© 日本有病者歯科医療学会
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