抄録
感染症に対して宿主例の免疫不全の問題がある. 著者はマウスに対して免疫不全を起させて皮膚真菌を背部に接種して正常マウスと菌の生着日数を比較した. 菌は星芒状菌, 猩紅色菌, 鼡径表皮菌の三種である. 成熟マウスではデルモパン照射, 副腎皮質ホルモンの筋注および軟膏塗布, 抗リンパ血清腹腔内投与群は対照群に比べて菌の生着の延長がみられた. また新生時胸摘マウスの菌接種実験も対照に比べて菌の生着が延長していた. しかしアロキサン過血糖実験, 四塩化炭素による肝障害を起させたマウスでは, 対照と変化はみられなかつた.