抄録
カンジダ感染における細胞性免疫の機能を明らかにする目的で, 感作モルモットより得たリンフォカインのマクロファージ機能への影響を検討した. C. albicans 加熱死菌感作モルモットは同抗原による遅延型皮膚反応は陽性を呈したが, マクロファージ遊走阻止試験 (MIT) では遊走阻止のみならず遊走促進もみられた. C. albicans 生菌感作モルモットのリンパ球を C. albicans 可溶性抗原と共に培養し, その上清 (リンフォカイン) にてMITを行つたが感作条件の違いと共に遊走阻止のみならず遊走促進もみられた. 正常モルモットの肺胞マクロファージをリンフォカインと共に培養することにより, 同マクロファージのガラス面への粘着能の増強がみられたが, C. albicans に対する貪食能には差がみられなかつた. 以上の結果から C. albicans を用いて得たリンフォカインのマクロファージ機能への影響が多様であることが示された.