真菌と真菌症
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カンジダの菌体抽出物によるマウスの実験的冠状動脈炎に関する研究 (第2報)
村田 久雄飯島 肇直江 史郎増田 弘毅
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1980 年 21 巻 2 号 p. 131-136

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抄録
川崎病患児から分離した C. albicans の菌体アルカリ抽出液による, マウスの実験的動脈炎にみられる組織像の特徴は, 川崎病剖検例にみられるそれと極めて類似することから, 今回はこれを実験モデルとして, 現在, 川崎病の治療に広く用いられているアスピリン及びステロイド剤を用いて, これら血管炎の発生に及ぼす影響を検討した. その結果, これらの薬剤は血管炎の発生を促進しないことを確認したが, その抑制効果に関しては, なお今後の検索がまたれる成績に終つた. また, これら血管炎の発生機序を解明する一助として, 菌体アルカリ抽出物を蛋白及び多糖体に分画, それぞれ精製して実験に供した. その結果, 血管炎の原因は多糖体分画に存在することが示唆された.
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© 日本医真菌学会
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