真菌と真菌症
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Candida albicansの産生する糖蛋白毒素に関する研究
第2報 毒素および菌体マンナンのLimulus amoebocyte lysate (LAL) のゲル化活性
山本 容正岩田 和夫
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1980 年 21 巻 4 号 p. 274-285

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抄録

前報において報告したCandida albicansの糖蛋白毒素であるマンナン蛋白 (以下毒素) には, Limulus amoebocyte lysateのゲル化活性が存在し, その活性は本毒素のマンナン部分にあることを見出した. また, C. albicansおよびSaccharomyces cerevisiaeより分離・精製したマンナン分画にも強いゲル化活性があり, 後者のそれは, マンナナーゼ処理によりその活性は消失することを認めた. なお, 前者の分画の1つ (CM-1) は, マウスに対し強い致死活性を示した. 本毒素はウサギに対して発熱活性を示したが, 対照に用いたC. albicansマンナンには, その活性を認めなかつた. 本毒素およびマンナンには血漿凝固 (カルシウム再加凝固時間) 促進活性が認められたが, 血小板凝集活性は, そのいずれにも認められなかつた. このような結果は, C. albicans細胞壁に存在するマンナンおよび糖蛋白 (毒素) は真菌内毒素としての特徴の一端を示唆するものである.

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