真菌と真菌症
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Keratinaseの人角層に対する作用ならびに局在に関する研究
清 佳浩滝内 石夫
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1982 年 23 巻 4 号 p. 308-313

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抄録

Microsporum canis の産生する extracellular なケラチナーゼを精製し, これを用いて作製した抗ケラチナーゼ家兎IgGによる酵素抗体法を施行し, 白癬病巣皮膚におけるケラチナーゼの局在を検索し, 角層内の菌糸周囲にケラチナーゼの存在を証明した. さらに, この精製ケラチナーゼと人足蹠角質とを, in vitro で反応させ, 電顕的に検索した結果, 狭義のケラチンとされるトノフィラメントが溶解されている所見を得た. 以上の結果は, 糸状菌が角層中でケラチナーゼを用いて角質を溶解し, それを栄養源として生存していることを強く示唆するものである. 二重免疫拡散法では, Trichophyton rubrumMicrosporum canis の産生する extracellular なケラチナーゼは Microsporum canis より得られたケラチナーゼに対する抗体との沈降線は一致した. また, ケラチナーゼを産生させるための人毛髪添加液体培地で12日間培養した Microsporum canis の菌体内におけるケラチナーゼの局在を電顕的酵素抗体法にて検索したところ, 菌糸の細胞壁外側および原形質膜に局在が認められた.

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© 日本医真菌学会
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