真菌と真菌症
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Nitroblue tetrazolium 還元試験を用いたヒト多形核白血球の Candida albicans に対する食菌能と superoxide 産生能の同時測定法
多部田 弘士河野 典博亀井 克彦山口 哲生長尾 啓一栗山 喬之横山 耕治加治 晴夫宮治 誠
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キーワード: NBT, 多形核白血球
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1989 年 30 巻 4 号 p. 280-287

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抄録

Nitroblue tetrazolium (NBT) 還元試験を応用し, ヒト多形核白血球 (polymorphonuclear leukocyte, PMN) の Candida albicans (C. albicans) に対する食菌能及び食菌に伴う superoxide (O-2) 産生能を同時に測定できる実験系の作製を試みた. 測定条件の検討の結果, NBT溶液 (2mg/ml) に懸濁した Candida 液(2.5×107/ml) とPMN液 (2.5×106/ml) 0.2mlずつに50%被検者血清0.1mlを加え, 30分間培養した後, 食菌率 (NBT-食菌率) 及びNBT還元率を測定した場合が最適と考えられた. また, 上記と同様の条件下でNBTを加えない実験系を作製し, 食菌率 (PBS-食菌率) 及び被食菌 Candida を逆培養して求めた殺菌率を測定した. 健常成人のPMNでは, NBT-食菌率とPBS-食菌率とは正の相関を示し, また, 強いNBT還元能と殺菌率とは正の相関を示した. 従って, NBT添加が食菌能測定の妨げとはならず, 本測定法により食菌能測定と同時に食菌に伴うO-2産生能を測定できると考えられた. 本測定法を用い, 各種呼吸器疾患患者におけるPMN機能を検討した結果, 一部に殺菌能の低下している症例が認められ, その原因の一つとしてO-2産生能の低下が関与している可能性が考えられた. 以上の結果より, 本実験系はヒトPMN機能の検討に有用であると考えられた.

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© 日本医真菌学会
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