日本医真菌学会雑誌
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マラセチア毛包炎
松田 哲男松本 忠彦
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1993 年 34 巻 4 号 p. 425-428

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抄録

マラセチア毛包炎はMalassezia furfurが毛包内で増殖することにより生じる疾患であり, 1968年にはじめて記載された. 比較的頻度が高くcommon skin diseaseのひとつであると考えられる. 臨床的には上背部, 前胸部, 上腕に多発する紅色丘疹として認められる. 病理組織学的には開大した毛包およびその周囲の炎症細胞浸潤が主体で, 菌要素は主として毛包内に存在する. 稀に肉芽腫を形成する. 診断には苛性カリによる直接鏡検が有用である. 治療にはイミダゾール系抗真菌剤などによる外用療法が行われるが, ときに内服が必要となる.

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