日本医真菌学会雑誌
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足白癬に対するイトラコナゾール間歇内服療法
小林 裕美水野 信之中西 健史深井 和吉石井 正光森本 健介
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2002 年 43 巻 2 号 p. 73-77

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抄録

足白癬を対象にイトラコナゾール1日200mgを1週間連日内服し3週間休薬する間歇内服療法を行ない, 臨床効果, 安全性を評価するとともに, この療法が患者のquality・flife (QO : L) に及ぼす影響をアンケートにより調査した.対象となった34例の病型は, 趾問型6例, 小水庖型7例, 角化の目立つ病変を有する群21例であり, 重症度はすべて中等度以上で糖尿病, 爪白癬など合併症を有する例が28例であった.総合臨床評価では著効18例, 有効9例, やや有効3例, 無効、悪化は0, 中止脱落が4例であった.安全性は全例問題なく、有用以上の有用率は約8o%を占めた.また, 真菌学的検査を1週間毎に行ない得た4例においてはイトラコナゾール1日200mgを1週間内服後, 培養では2週間後, 直 : 接検鏡では4週間後に1oo%の陰性化率を示した.アンケートの回答が得られた27例中, 効果については非常に効果 : ありが15例, 効果ありが10例と満足度は高く, 副作用については全く心配しなかったが16例で, ほとんど心配しなかったが6例, 心配したが4例, 非常に心配したが1例であった.この療法を不便に感じた人はなく, 本療法を好むという回答例は, 連日内服療法との比較で19例 (70%), 外用療法との比較においても22例 (81%) と受け入れ良好で, 患者主体の医療をすすめる上で, 本療法を治療の選択肢に加えることは有用と考えられた.

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