超音波診断装置の性能はこの10年間にさらに長足の進歩を遂げ,安全規格の国際化に伴って超音波の出力規制に関する考え方も大きく変更された.装置には,超音波の熱的および非熱的作用の程度を表す指標TIとMIがリアルタイムに表示され,操作者はこれらの指標を参考に,生体作用を生じることのリスクと不十分な画質で診断することのリスクを秤にかけて適切な超音波出力で診断することが求められている.TIとMIをスピードメータとして現在の出力を心にとめ,常にALARA(as low as reasonably achievable)の原則に則って超音波診断を行っていく必要がある.