超音波医学
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微細石灰化検出フィルタ~firefly~の有用性
橋本 秀行神山 直久岡村 陽子
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2009 年 36 巻 6 号 p. 649-656

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抄録

我国における乳癌の罹患率・死亡率は,年々,上昇しており,早期発見の意義は非常に大きい.マンモグラフィで容易に検出出来る微細石灰化は,乳癌の最も早期である非浸潤性乳管癌に認められることの多い所見であるが,乳房超音波検査では,検出の難しいことがあり弱点とも言われている.そこで,我々は容易に微細石灰化を検出出来る石灰化フィルタ(firefly)を開発し,診断および臨床応用について検討した.乳腺の超音波画像は非常に複雑な構造をしており,石灰化の高輝度エコーを視認(同定)出来ないことが多い.今回,開発した石灰化フィルタは周囲と連続にあるものを消去し,点状の高輝度を強調するものである.このフィルタを使用すると闇夜の中で蛍(firefly)が光るように石灰化を同定出来る.これまで218例の微細石灰化症例を検討したところ,確実に検出能が上昇していた.現在,微細石灰化の組織診断にはステレオ(マンモグラフィ)ガイド下のインターベンションが主流であり,限られた施設でしか施行出来ない.しかし,このフィルタの開発により,どの施設でも超音波ガイド下の生検が可能となり,石灰化が確実に採取さている状況をリアルタイムに観察出来る.また,石灰化病変を主とする乳癌手術では拡がり診断を術中と同じ体位でマッピングが可能となる.微細石灰化検出フィルタfireflyを開発することにより,乳房超音波検診への期待も拡がり,その意義と有用性は非常に大きい.

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© 2009 一般社団法人 日本超音波医学会
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