超音波医学
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症例報告
超音波検査にて胃にmultiple concentric ring signを呈した胃巨大ポリープによる胃‐胃重積の1例
宮崎 真紀廣岡 昌史大野 由香理作岡 南美子上甲 毅西宮 達也渡邊 亮司池田 宜央日浅 陽一恩地 森一
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2011 年 38 巻 6 号 p. 651-655

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抄録
胃重積は,胃腫瘍などによる胃‐十二指腸重積,胃切除後などに発生する胃‐空腸重積が一般的に知られているが,胃‐胃重積はきわめて稀である.今回我々は,超音波検査にて胃にmultiple concentric ring signを呈した胃巨大ポリープによる胃‐胃重積を経験したので報告する.症例は54歳,女性.子宮頸癌の経過観察中に施行された造影CT検査にて胃内に巨大腫瘤を指摘され,超音波検査を行った.心窩部縦走査にて,胃体部より幽門側にかけてmultiple concentric ring sign及びHay-Fork signを認め,その肛門側に直径40mm程度で境界は明瞭,内部不均一な腫瘤が見られた.上部消化管内視鏡検査で,胃体下部前壁大彎よりに約50mmの有茎性の腫瘤が見られ,病理検査結果は,過形成性ポリープ(GroupI)であった.内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)により胃ポリープは切除された.胃‐胃重積は非常に稀な病態で,特徴的な超音波画像を呈した.超音波検査は診断に有用であった.
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© 2011 一般社団法人 日本超音波医学会
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