2012 年 39 巻 4 号 p. 463-469
腹部超音波検査で診断された原発性虫垂重積症の1例を報告する.腹部違和感のある83歳の男性が虫垂部の腺腫の内視鏡治療を目的に当院を紹介された.腹部超音波検査では右下腹部にmultiple concentric ring signとhay-fork signを認め原発性虫垂重積症と判断した.hay-fork signの近位側には低エコーの腫瘤様所見を認め,虫垂の腫瘍が原因での原発性虫垂重積症と診断した.手術を施行し診断が確認された.腹部超音波検査は術前診断に非常に有用であった.