超音波医学
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特集「実践3次元心エコー法:今,診療に導入すべき評価項目」
心腔容積と機能の計測
福田 祥大
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2014 年 41 巻 2 号 p. 143-154

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抄録
日常臨床の場において,心腔,特に左室容積の計測や駆出率(ejection fraction: EF)に代表される心室機能の評価は,心疾患の診断や管理に必須な項目である.しかし,2次元心エコー図では様々な限界のために左室容積やEFを正確に計測することができない.3次元心エコー図では,容易に心臓の3次元情報を得ることができ,正確な左室容積の計測ができる.多くの報告によって,3次元心エコー図による計測が正確であることが証明されてきた.しかし,登場初期の3次元心エコー図では,画像取得から解析までの手順が非常に煩雑であり,日常臨床での使用には困難が伴った.近年はエコー機器が進歩し,時間・空間分解能が向上した.さらに,解析ソフトも大きく発展し,画像取得後の解析が簡便になった.また,左室だけでなく,左房や右室の容積も計測することができ,これまでにその正確性が報告されている.これら左房や右室の容積の臨床使用にはまだ少し時間を要するが,それでも,様々な心疾患の病態解明に役立てることができる.3次元心エコー図を取り巻く環境は急速に進歩しており,特に左室容積やEFの計測において日常臨床で使用することができる.
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© 2014 一般社団法人 日本超音波医学会
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