超音波医学
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症例報告
甲状腺前面に副甲状腺腺腫が存在した原発性副甲状腺機能亢進症の1例
山本 浩之貴田岡 正史森田 恒治相田 真介清水 誠一郎
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2014 年 41 巻 6 号 p. 871-875

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抄録

症例は72歳,女性.尿路結石および胸椎圧迫骨折の既往があり,骨粗鬆症・Ca高値・P低値・iPTH高値の所見から原発性副甲状腺機能亢進症の疑いで当院紹介となった.Bモード断層像で甲状腺左葉前面に接する扁平な低エコー領域が存在し,power Doppler法で同部位に血流を認めた.3次元超音波法では冠状断面で長径16 mmの楕円形の低エコー領域として描出された.MIBIシンチグラフィーでは早期像で甲状腺に正常な集積があり,後期像で甲状腺左葉下部に結節状の集積残存がみられ,冠状断面像と形態が一致していた.他に異所性副甲状腺は認めず,手術により摘出し術後病理で副甲状腺であることが確認された.下副甲状腺は発生学的に頚部から縦隔にかけて広範囲に存在し得ることが知られているが,甲状腺前面に認めることはまれであり,病変の同定に3次元超音波法が有用であった.

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© 2014 一般社団法人 日本超音波医学会
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