超音波医学
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症例報告
腹部エコーが手術の手がかりとなった99mTcシンチグラム陰性幼児Meckel憩室例
有吉 平伊藤 智子中村 圭李岡崎 史子小林 聡子堀田 紀子立石 浩大倉 隆弘河崎 正裕内田 正志
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2015 年 42 巻 6 号 p. 737-741

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抄録

Meckel憩室は小児期に下血をきたす代表的疾患のひとつであり,確定診断には99mTcシンチグラムが行われるが,偽陰性例も存在する.今回99mTcシンチグラムは陰性であったが,腹部エコー所見が手術の手がかりとなった症例を経験したので報告する.症例は3歳の女児で,入院当日に嘔吐と多量の黒色便を認めたため当科外来を受診した.腹部エコーで臍下部に約11 mm大の内部が低エコーで血流豊富なtarget sign様の腫瘤を認めた.また,浣腸でブルーベリー様の血便を認めたためMeckel憩室を疑った.入院4日目に施行した99mTcシンチグラムは陰性であったが,その後のエコーでも同様の所見を認めるため手術を施行したところ,Meckel憩室が腸管内腔に反転し,腸重積を起こしていた.本症例の経験から99mTcシンチグラム陰性であっても,症例によっては腹部エコーでMeckel憩室の診断は可能であることが示唆された.

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© 2015 一般社団法人 日本超音波医学会
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