抄録
2011年3月11日に発生した東日本大震災は,未曾有の被害を引き起こした.被害は広範に及び,特に東北3県での被害は甚大であった.震災後,日本超音波医学会は携帯型超音波機器を被災地へおくり,被災地ではそれを有効に利用すべく活動を行った.本学会と被災地における学会員の連携により,携帯型超音波機器は避難所や災害現場における初期診療へ,そして下肢静脈血栓のスクリーニングに活用された.一方,本活動に際しては,交通手段遮断に伴い超音波機器の輸送手段の確保が非常に困難であった.今後災害時における超音波機器の輸送手段や人材の確保について,検討する必要があると考えられた.