超音波医学
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症例報告
脛骨穿通枝由来静脈瘤の3症例
齊藤 雪枝根本 寛子
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2022 年 49 巻 4 号 p. 357-363

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抄録

下肢静脈瘤は静脈弁の機能不全により静脈が拡張する疾患で.伏在型や側枝型などが一般的であるが, 脛骨小孔部の穿通枝を由来とする極めて稀な静脈瘤を3例経験したので報告する.1例目は60歳代女性.左下肢静脈瘤(C1)の精査目的に来院した.2例目は50歳代男性.両側下肢浮腫,両側下肢静脈瘤(C4a),うっ滞性皮膚炎の精査目的に来院した.3例目は60歳代男性.左下肢浮腫,静脈拡張(C4a)の精査目的に来院した.超音波検査において,3例全てに共通して患側の脛骨前面に小孔を認め,小孔部を覆う拡張血管が描写された.ミルキング操作を用いたカラーフローとパルスドプラ法では脛骨内部から小孔を介して骨外へ流出する静脈血流が認められ,脛骨穿通枝由来の下肢静脈瘤と診断した.脛骨穿通枝由来の静脈瘤に対しては,超音波検査が原因静脈を特定できる唯一の検査であった.

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© 2022 公益社団法人 日本超音波医学会
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