超音波医学
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バスキュラーアクセス作製における術前評価
山本 裕也大川 博永藤田 淳也西川 博幸
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ジャーナル 認証あり 早期公開

論文ID: JJMU.R.152

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抄録
バスキュラーアクセス(VA)は血液透析患者にとって不可欠なものである.特に透析導入時に作製する最初のVAは最も重要なものである.よって,VA作製前の評価は十分に行う必要があり,超音波検査は有効な評価方法である.術前評価では,超音波検査の前に視診・触診により観察する.超音波検査による評価:動脈は狭窄や閉塞の有無と血管内径を計測し,その開存性を評価する.また石灰化の程度を観察する.動静脈径は1.5~2.0 mm以上であれば作製可能と報告されている.静脈は全体の血管走行とその連続性,血管内径,狭窄の有無や静脈弁の位置などを観察する.吻合する静脈径は,駆血下にて2.0 mm以上が望ましい.また,触診のときと同様で穿刺可能な部位を検索する.血管走行は深さ5 mm以上になると触知が難しくなり,穿刺の難易度が上がるため,穿刺が想定される部位の血管の深さも観察する.結論:最終的な作製部位は,年齢,穿刺部位,動静脈の距離など血管径以外の要素も考慮し総合的に判断される.よって,作製部位の決定は超音波検査の結果と患者背景を術者と十分に協議する必要がある.可能であれば検査者と術者が一緒に評価を行うことが望ましい.
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© 2019 公益社団法人 日本超音波医学会
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