論文ID: JJMU.R.165
日常臨床の現場では,様々な血管疾患に遭遇する.頭頸部領域においては,名称は知っていても実際に遭遇する機会が少ない疾患と,非常に稀な疾患の両者が存在する.前者の代表が血管炎であり,後者については走行異常や動脈瘤などが代表的である.血管炎においては,大型血管炎である高安動脈炎,巨細胞性動脈炎を知っておく必要がある.また,もやもや病など病態の主座が頭蓋内動脈に存在する場合において,頸部動脈に影響がでることで特徴的な病態を認めることもある.さらに,椎骨動脈解離やBow hunter症候群など椎骨動脈領域にも比較的稀な病態が存在する.また,非常に稀な疾患として,内頸動脈無形成,Carotidynia,頸動脈仮性動脈瘤などが挙げられる.これら稀な疾患に遭遇したときには動画を駆使して明瞭な画像を残すことを心がけてもらいたい.