論文ID: JJMU.R.195
小児腎泌尿器疾患に対して超音波検査は初期評価としてしばしば施行される画像検査となっており,しかも時として精密検査としての検査精度を併せ持つ.しかし,新生児や乳幼児の検査においては検査協力が得られない状況下で検査を強いられる場合も少なくない.そのような状況においても疾患の鑑別に有用な情報を得るためには,腎の位置異常,腎自体の形成異常,癒合腎,腎嚢胞性病変,腎腫瘍,先天性腎尿路異常に合併する頻度の高い水腎症や尿路感染症等の小児特有の疾患概念とともに,観察すべきポイントや特徴的超音波所見を検査者が充分に把握していることが重要である.また,小児は成人と比べて安静を保てる時間が短い場合が多いため,可能な限り短時間で観察を終了することが望ましい.短時間での観察終了を実現するためには優先順位の高い観察ポイントから順次速やかに観察し,可能な限り客観性の高い画像を記録することが重要である.