超音波医学
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Transient Elastography(FibroScan)による肝硬度測定
斎藤 聡伝法 秀幸
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ジャーナル 認証あり 早期公開

論文ID: JJMU.R.46

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抄録
Transient elastography(TE)は装置のプローブから発するせん断弾性波の肝臓内の伝播速度を計測し,肝硬度を求める装置である.肝硬度は肝線維化を反映するため,線維化評価に関して,侵襲性の高い肝生検の代替え検査として使用可能である.使用装置はフィブロスキャン®(FibroScan)である.世界中で数多く使用され,我国でも肝硬変の診断に関して保険承認がなされている.線維化評価の中でも,肝硬変の診断能は高く,C型肝疾患における肝硬変の鑑別能はAUROC(area under the receiver operating characteristic curve)がおおむね0.9以上である.原疾患毎に肝硬度のカットオフ値は異なるものの,それぞれ肝硬変の検出には高い診断能を有する.TEによる肝硬度は線維化をよく反映するが,それ以外では炎症(急性肝炎など),うっ血,胆道内圧上昇,アミロイド沈着などの影響を受けるとされている.従来,超音波検査は定性的かつ主観的な検査であり,個々の検者の技量に依存するところが大きかった.一方,TEは一定の方法通りに行えば,定量的かつ客観的な検査方法となる.
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© 2015 一般社団法人 日本超音波医学会
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