超音波医学
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ドプラ法の原理と応用
長谷川 英之
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ジャーナル 認証あり 早期公開

論文ID: JJMU.R.81

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抄録
現在,超音波ドプラ法は血流計測から組織運動計測まで幅広く利用されており,臨床診断に必要不可欠な技術となっている.連続波ドプラ法は空間分解能を有さない反面,速度の測定可能上限がないため,心臓弁狭窄により発生する高速流などの測定に用いられる.血流計測においては,血球からの超音波散乱波の振幅が,心臓壁などの低速な組織からの散乱波に比べ非常に小さいことから,血球と組織の移動速度の差を利用して組織からのエコーを抑圧するクラッタフィルタが必要となる.パルスドプラ法はパルス状超音波を用いているため空間分解能を有し,レンジゲートで指定した位置のドプラスペクトルから血流情報を得ることができる一方,計測可能な速度の上限値が存在する.その上限を決定するエイリアシング現象についても説明する.カラードプラ法は自己相関法を用いて対象の速度を推定する手法であり,2次元もしくは3次元の速度分布を得ることができる.本稿では,ドプラ法の原理と,それを応用した基本的な測定法について概説する.
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© 2016 一般社団法人 日本超音波医学会
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