2010 年 40 巻 2 号 p. 53-55
アフェレンクス科のAphelenchus avenae (Aa) とティレンクス科のFilenchus misellus(Fm) について、土壌伝染性植物病原性糸状菌Rhizoctonia solani (Rs)の7つの系統を摂食させた場合の増殖性を調べた。いずれか1つのRs系統の菌叢が生育したジャガイモ寒天培地にAaとFmのいずれか1種を30匹接種し、25℃で40日間増殖させた後、ベールマン漏斗で線虫を分離し、個体数を調べた。負の二項分布を仮定した統計モデルにより検討したところ、線虫種、Rs系統及び両者の交互作用のいずれもが線虫個体数に影響したと考えられた。全般にAaでは個体数がFmより著しく多く、供試したRs系統のうち、特にダイズとキャベツから採取された系統で良く増殖した。一方Fmは、ほとんど増殖しなかったRs系統があったが、イネ、ダイズ、キャベツに由来する系統ではある程度の増殖が認められた。