日本線虫学会誌
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原著論文
火山灰土壌におけるサツマイモネコブセンチュウおよびキタネコブセンチュウの直接定量検出法の開発およびネコブセンチュウ初期密度とナス収量の関係の解析
渡邊 貴由増村 弘明紀岡 雄三野口 勝憲Min Yu Yu村上 理沙豊田 剛己
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2013 年 43 巻 2 号 p. 21-29

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抄録
火山灰土壌におけるサツマイモネコブセンチュウとキタネコブセンチュウのリアルタイムPCRを用いた定量法を開発した。それぞれの二期幼虫5、20、80および500頭を線虫に汚染されていない火山灰土壌20gに添加した後、DNAを抽出し、リアルタイムPCRで解析をした。Ct値と線虫頭数には有意な相関が見られた。次に、ナス定植時にサツマイモネコブセンチュウとキタネコブセンチュウが混在した圃場の12区画から土壌を採取し、ベルマン法と開発したリアルタイムPCR法を用いて線虫の初期密度を定量した。ナスを3か月間栽培し、収量を調査した。サツマイモネコブセンチュウとキタネコブセンチュウの初期密度の合計が2頭/20g土壌(ベルマン法)、128J2相当/20g土壌(リアルタイムPCR法)以上で収量の低下が見られた。ナスの収量は、キタネコブセンチュウよりサツマイモネコブセンチュウ密度に関係した。
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© 2013 日本線虫学会
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