抄録
千葉県内の植木生産地において、輸出向け主要樹種のイヌツゲ、イヌマキ、キャラボク、ゴヨウマツの4樹種について、根域土壌の植物寄生性線虫相を調査した。その結果、92%のサンプルから植物寄生性線虫が検出され、その71%において複数の線虫グループが混発して検出された。検出された植物寄生性線虫のうち、検出率が比較的高かったのはオオハリセンチュウ、ユミハリセンチュウ、ネグサレセンチュウであった。オオハリセンチュウはイヌツゲにおいて、ネグサレセンチュウはキャラボクにおいて他の樹種と比較して検出率および検出数が高く、輸出の際に特に注意が必要と考えられた。ユミハリセンチュウはイヌマキにおいてイヌツゲやイヌマキ、ゴヨウマツと比較して検出率が低かったものの、検出数に差は認められなかった。