日本線虫学会誌
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原著論文
フェニトロチオンおよびベノミルの薬液浸漬によるイヌツゲ根鉢内のオオハリセンチュウ防除
武田 藍市東 豊弘加藤 正弘日坂 弘行柴田 忠裕
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2015 年 45 巻 1 号 p. 27-33

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抄録

イヌツゲの根鉢内におけるオオハリセンチュウXiphinema brevicollum について、ホスチアゼート、フェニトロチオン、ベノミルの密度低減効果を検証した。根鉢浸漬処理により、フェニトロチオンおよびベノミルはオオハリセンチュウに密度低減効果が認められたものの、ホスチアゼートでは効果が認められなかった。ベノミルでは処理後7から60 日後まで高い効果が認められたが、フェニトロチオンでは処理3日後から効果が認められたものの、14 日後には密度が再度上昇し、長期間の効果は認められなかった。フェニトロチオン処理における密度の再上昇は処理時に残存した卵が新たに孵化したためと考えられた。この卵の孵化は処理後に5℃条件下で保存することにより回避された。

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© 2015 日本線虫学会
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