抄録
メキシカンマリゴールドTagetes minuta L.のクワ寄生線虫に対する防除効果を検討する目的で, 本植物の磨砕液に線虫を浸漬して, その生死を観察したほか, クワとのポットにおける混植試験を行なって, 土壌中の線虫に対する効果とクワの生育に及ぼす影響について調べた。
1) メキシカンマリゴールドの磨砕液中ではMeloidogynesp.卵のふ化率は著るしく低下し, 幼虫は浸漬2日以内に100%死亡した。また, Paratylenchusspp., Xiphinema spp.および自由生活種線虫もほぼ同様に死亡した。
2) メキシカンマリゴールドと3か月間混植したクワ実生の生育は, 混植株数が多い場合, クワ単植区のそれよりもわるく, クワの根のgail数およびポット土壌中線虫数は, 両区の間に明らかな差が認められなかった。