日本線虫学会誌
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Steinernema kushidaiの無菌継代培養に及ぼす植え継ぎ方法の影響
橋本 ほしみ
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1996 年 26 巻 1-2 号 p. 23-28

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抄録
Steinernema kushidai の感染態幼虫(IJ)を加熱肝臓抽出物を添加したドッグフード培地約1gにおいて無菌培養した。滅菌蒸留水(DW)で洗浄した無菌のIJ3,000頭をDW0.1m1とともに接種して培養すると、4週間の培養で増殖しなかった。IJのDW懸濁液を平底ビンに入れて2日間200Cで静置した後、3,000頭をDW0.1m1とともに接種して培養すると、3~4週間後には平均約54,000頭のIJが得られた。IJのDW懸濁液を円錐遠沈管に入れて2日間200Cで静置した後、3,000頭をDW0.1m1とともに接種して培養すると、増殖しなかった。IJのDW懸濁液を平底ビンに入れて静置すると、培地に接種した後にIJから次のステージへと発育する線虫の率を高める効果があることがわかった。IJが多数得られるようなS. ku -shidai の無菌継代培養法が示された。
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