日本線虫学会誌
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石垣島から発見されたナガハリセンチュウ属の1新種の記載
平田 賢司
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2002 年 32 巻 1 号 p. 1-6

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抄録
沖縄県石垣島のリュウキュウチク (イネ科) の根辺土壌から発見されたナガハリセンチュウ属の未記載種をLongidorus ishigakiensis n. sp.と命名・記載した。本種は、ナガハリセンチュウ属の既知種の中でも、歯針長及び頭端から口針導環までの長さが著しく長い。本種の近似種には、L. laricis Hirata, 1995、L. litchii Xu and Cheng, 1992、L. naganensis Hirata, 1995、L. orongoeongensis Yeates, Van Etteger and Hooper, 1992の4種があるが、本種のc'値は、これらの4種と比べて大きく異なる。また、本種は、L. laricisと比べて、尾長が長く、唇部にくびれがなく、L. litchiiとは、尾長が長く、a値が大きく、L. naganensisとは、体長が長く、a値が大きく、L. orongorongensisと比べて、頭端から口針導環までの長さが長く、a値が大きいなどの点で区別される。本種の幼虫齢期は、体長、歯針長及び替歯針長などの値から3齢期に分けられた。
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