日本線虫学会誌
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マツノザイセンチュウ分散型4期幼虫のマツノマダラカミキリ成虫気管からの離脱行動
虫体解剖による直接的観察
真宮 靖治
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2003 年 33 巻 1 号 p. 41-43

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抄録
マツノザイセンチュウ (Bursaphelencs xylopmus) 分散型4期幼虫はマツノマダラカミキリ (Monochamus alternatus) 羽化成虫の気管内に保持されてマツ枯死木から健全なマッへの移動を果たす。マツノマダラカミキリ成虫が健全なマツ枝を後食するとき、虫体を離れてマツ枝へと移り、枝組織内に侵入する。マツノマダラカミキリ成虫気管内に気門から潜入したマッノザイセンチュウ分散型4期幼虫は、そのほとんどすべてが頭部を虫体内部に向けている。これらが虫体から離脱するに当たって、気管内で方向転換することが、気管内における線虫頭部の向きの変化で指摘されてきた。本報では、このような方向転換がどのようにして起こるのかについて、虫体の解剖による直接的観察によって明らかにした。すなわち、分散型4期幼虫は気管内で旋回することにより方向転換して、頭部から虫体外へと出て行く。
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