日本線虫学会誌
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線虫捕捉菌を活用したサツマイモネコブセンチュウの生物防除と薬剤感受性
田場 聡諸見里 善一高江洲 和子大城 篤
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2004 年 34 巻 1 号 p. 21-29

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抄録

沖縄本島から分離された線虫捕捉菌17種を用いてサツマイモネコブセンチュウに対する捕捉性を比較した結果、特にM.ellipsosporumは捕捉性が高いだけでなく、単位面積 (1mm2) 当たりに形成する捕捉器官数が多く、他種に比較して迅速に線虫を捕捉した。本菌の最適培地は、1%グルコース・酵母エキス・麦芽エキス (GYM) 液体培地であった。本菌は振とう培養 (200rpm/min、25℃100ml) において5.2×1010個の短菌糸を形成した。各量に調整したバーミキュライトに本菌の短菌糸を添加して作製した培養物 (10、20、30および50g) を土壌に混和した場合、3ヵ月後のトマトの根こぶ指数は、対照区が50、ホスチアゼート区が0、培養物10、20、30および509区がそれぞれ40、10、15および10であった。またM.ellipsosporumの菌糸伸長に及ぼすカズサホス、オキサミルおよびチオファネートメチルの影響はほとんど認められなかった。

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