2023 年 15 巻 1 号 p. 3-12
本研究では、情報化社会において、看護師が適切な倫理観のもと看護情報が扱えることを目的に、看護学分野において曖昧となっている「情報倫理」の概念を明確化することである。Walker & Avantの概念分析の手法を用い、情報倫理の一般的用法について19件、概念の属性、先行要件、帰結の抽出には20件の文献を対象に分析を行った。結果、3つの属性、5つの先行要件、6つの帰結が抽出された。看護における情報倫理は、まず知識や能力、特に情報活用能力を身につけたうえで、リスクに対する感受性や情報の重要度に対する判断、情報を扱う意識を養っていく必要がある。そのうえで、情報活用能力と情報を扱う意識を醸成し、個人情報の保護と守秘義務を遵守するとともに、患者(対象者)に対する配慮ある行動、そして適切な情報の収集と管理の元、それを看護実践へ反映することの重要性が示唆された。