目的:看護師にとってCOVID-19患者の看取りはどのような経験であったのかを明らかにすることを目的とした。
方法:COVID-19患者の看取りを経験した5年以上の臨床経験をもつ看護師3名に非構造化インタビューを行い、現象学的アプローチを用いて分析した。
結果:【看護師としてだけでなく、人としても許せないことをしてしまった後悔を感じる】と振り返りつつ、【経験を積み重ねてきた自分であっても初めての看取りがあることに驚き戸惑(った)】いながら、【作業ではない看護を改めて考える】、【自分の看護の力量を再確認】する機会となっていた。
結論:看護師は患者の尊厳を守ることができなかった看取りに後悔と苦痛を感じており、非日常時でも患者の尊厳を守るケアの在り方を考える必要がある。看護の本質を再考する機会となっており、ネガティブな感情と向き合いながら看護師として成長していく経験であることが示唆された。
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