日本看護倫理学会誌
Online ISSN : 2434-7361

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看護職が経験するセクシュアル・ハラスメントの特徴と組織的対策
工藤 千賀子
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論文ID: 20230307b

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抄録

近年、看護師に対する患者・家族からのセクシュアル・ハラスメント等が深刻化している。管理者が、組織的問題として解決する方策を立案する手がかりを得ることを目的とし、無記名自記式質問紙調査を実施した。セクハラ体験者中、自由記述があった242名を分析対象とした。内容は、Hibinoらによる11type以上抽出された。また、「感情」や「行動」の記述があった77名分を分析した結果、「感情」に関して、【仕方ないという思い】、【恐怖・不快感】、【感情労働への思い】の3カテゴリーが、「行動」に関して、【ことばや態度による拒絶】、【受け流す・かわす】、【組織やスタッフ等の対応】、【対応の困難さ】の4カテゴリーが抽出された。さらに計量テキスト分析の結果、ことばによるセクハラや、身体を「触る」セクハラが多かった。その背景として感情労働という職業上の特徴があることや、組織的対策が急がれることが示唆された。

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