論文ID: 20240329
本研究の目的は道徳的感受性の高い精神科看護師が倫理的問題へどのようにして気づくことができるのか、また対応に至るまでの判断と倫理的問題への対応方法を明らかにすることである。調査は精神科病院に勤務する看護師9名へ半構造化面接を実施し質的帰納的な分析を行った。半構造化面接より248のコード、32のサブカテゴリー、11のカテゴリーが抽出された。参加者は患者尊重が欠如していることへの違和感を抱くことから倫理的問題だと気づくことに至っていた。次に参加者は患者や医療者に存在する様々な価値の明確化を行い、判断に至る際には信頼関係の構築が治療の根幹であると理解していた。参加者は倫理的問題への対応を行う上で患者、看護師間のケアリングを基盤とした対応を行っており、精神科看護師が倫理的問題へ対応する際の新たな示唆を得ることができた。