抄録
本研究は、小児看護の熟練者における観察スキルを可視化し、その注視行動の特徴を明らかにすることを目的とした。被験者13名を対象に、幼児の病床環境を設定した実験空間にて、自由に移動できる状態での視線計測を実施し、[観察時間][平均注視持続時間][注視回数][サッケード持続時間の割合][総歩数]の5変数を用いて主成分分析を実施した。その結果、第1主成分を〈しっかり見る〉、第2主成分を〈さっと見渡す〉と命名し、この2軸が熟練者の観察スキルの基盤となることを明らかにした。教育的介入として、全体を俯瞰しつつ細部を注視する訓練や、可視化された複数の観察パターンを提示することが、学生や新人看護師の育成に有用であることが示唆された。