2012 年 10 巻 2 号 p. 37-46
本研究は、新人看護師の共感についての理解、患者に対する共感的態度の実態、共感的態度で接することに困難を感じた経験とその理由についての実態を明らかにすることを目的とした。入職2年目看護師248名を対象に自記式質問紙調査を行い、76名から回答を得た。分析の結果、以下のような結論が得られた。1. 新人看護師の共感の内的反応の理解は、認知的側面と感情的側面の2つの側面の強さにより、「高認知高感情群」「高認知低感情群」「低認知高感情群」の3つのタイプに分類された。2. 新人看護師は、どのような患者にも共感的態度で接するべきだと思う人は、いつでも共感的態度で接するべきだと思う傾向がみられ、実際の接し方にも同様の傾向がみられた。3. 新人看護師の多くは、共感的態度で接することの困難を経験しており、その困難は、看護師あるいは患者の双方に理由があり、どちらか一方の原因により生じるものではなかった。