2013 年 11 巻 1 号 p. 1-9
本研究の目的は、臨地実習における看護学生の患者情報の取り扱いについて、生じている問題の実態と、その問題に対して必要と考えられる指導について明らかにすることである。研究方法は、実習指導を担当する教員10名に対して半構成的面接を行い、逐語録の内容分析により問題点などを整理した。学生の患者情報の取り扱いに関する問題は、学生個人の問題・カンファレンスの問題・実習場の外での問題の3つに分類された。これらの問題点を起こさないために必要な指導は、学生の理解や情報プライバシーの意識の向上・管理方法の構築・問題が起きた時の対応の3つに分類され、多岐に渡る指導が挙げられ、これらの細かい指導の必要性が示唆された。また、学習効果を考えて各教員や大学で指導法を模索している状況が見受けられた。今後、必要な教育内容に関して了解が得られるような、統一した指導の指針を作成することが急務であることが示唆された。