看護科学研究
Online ISSN : 2424-0052
ISSN-L : 2424-0052
研究報告
看護基礎教育における静脈注射に必要な解剖・生理学の教授内容に関する実態調査
山口 直己篠崎 惠美子栗田 愛西 由紀藤井 徹也
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2015 年 13 巻 2 号 p. 22-29

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抄録

看護基礎教育における静脈注射の教授内容の現状と今後の方向性を検討するために、全国の看護系教育機関の教員を対象に、静脈注射に必要な解剖・生理学的知識の教授内容について質問紙調査を実施した。静脈注射実施時に肘窩の尺側皮静脈を選択血管として教授しているのは、ワンショット35.6%、点滴静脈内注射28.8%であった。解剖学的知識では、「皮静脈の深部に神経や動脈があること」について4.5%、「肘窩の尺側皮静脈に正中神経・上腕動脈が伴走していること」について10.2%が教授していなかったことから、すべての教授者が静脈注射に関する神経や動脈の位置の解剖学的知識を理解した上で穿刺対象血管を教授しているわけではないと考えられた。また、生理学的知識では、血管迷走反応(VVR)について教授していない者が59.0%であったことから、静脈注射実施における異常について具体的な内容を根拠とともに教授する必要がある。

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© 2015 看護科学研究編集委員会
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