抄録
本研究は、便秘症状を有し便秘薬を使用する女子大学生5 名を対象に,便秘薬の選択過程から選択後の排便状況及び排便管理について明らかにすることを目的とした。インタビュー調査の結果、便秘薬を選択するまでに《排便困難感と関連症状の出現》や《排便に影響する健康パターンの認識》といった過程を経て、《便秘薬の効果に関する広告や宣伝》《便秘薬の使用を勧める親の存在》 などをきっかけとし便秘薬を開始していた。便秘薬選択後の排便状態は《副作用症状のない排便コントロールの成功》がある一方で、《正常な排便状況からの逸脱》や《副作用症状による身体的・精神的苦痛》を経験し、《排便状況に応じた便秘薬の決定》をしていた。また、便秘薬の使用による《排便状況への満足感や安心感》がある一方で《過剰な排池効果と副作用への不安》もあった。便秘薬の使用を効果的で安全な保健行動とするためには、対象者の背景や排便状況、副作用症状を丁寧に聴取しより良い排便状態をともに考え支援する必要性がある。