本研究は、精神科医療・福祉サービスに携わる専門職者が、サービス利用者のリカバリーを支援するために、所属する施設や部署でどのようなことを大切だと思っているかを質的に明らかにすることを目的とした。精神科医療・福祉サービスに携わる専門職者を対象に自由記述の自記式調査票を用いた横断調査を行い、125名の回答を内容分析により分析した(有効回答の回答率:26.3%)。抽出されたカテゴリーは、『対象者との対等な関係性』、『多職種との情報共有』、『チャレンジの支援』、『対象者との信頼関係』、『専門職者としての姿勢』、『スタッフへの教育』、『ストレングス志向』、『地域資源の活用』、『リカバリー経験者と接する機会』などがあった。これらには、個々の専門職者−対象者間の関係性や、専門職者の考え方やスキル、チームや組織としての取り組みなどに関する内容があった。