看護科学研究
Online ISSN : 2424-0052
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研究報告
急性期病院における看護師臨床推論力尺度(NCRS: the Nurses Clinical Reasoning Scale)日本語版の信頼性および妥当性の検討
加藤 祐子松本 和史中村 裕美
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2024 年 22 巻 p. 18-28

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抄録
【目的】急性期病院における看護師臨床推論力測定尺度the Nurses Clinical Reasoning Scale(NCRS)日本語版作成及び、信頼性と妥当性の検討である。【方法】急性期病院4施設の病棟看護師370名を対象に本調査、2週間後に再調査を実施した。【結果】有効回答数は本調査で143名、再調査で44名であった。NCRS日本語版15 項目のCronbach's α係数は.942、再テスト法での級内相関係数は.862であった。探索的因子分析では1因子が抽出され、各項目の因子負荷量は.603 ~ .813であった。確認的因子分析の結果、適合度指標はGFI=.899, AGFI=.855, CFI=.974, RMSEA=.054であり、推奨される基準をわずかに満たさなかった。経験年数3年以下の看護師のNCRS得点は、4年以上の看護師よりも有意に低く、経験年数に基づいた既知集団妥当性が確認された。【結論】 NCRS日本語版の一定の信頼性と妥当性が確認された。今後も尺度の質を評価するためのデータを蓄積しつつ、NCRS日本語版は急性期病院の病棟看護師の臨床推論力の評価に活用できる。
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© 2024 看護科学研究編集委員会
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