抄録
本研究の目的は、訪問看護師による過疎地域で生活する高齢者への在宅移行期の支援内容を明らかにすることである。過疎地域に所在する訪問看護ステーションに勤務する看護師3名を対象に半構造化面接を行い、在宅移行期の支援についてSCATにより分析した。訪問看護師による過疎地域高齢者への在宅移行期の支援は、【不安を抱える療養者と家族が在宅療養に対する覚悟を持てるためのケア】、【過疎地域で在宅療養を行うための環境整備とアドバイスの提供】、【訪問看護を受け入れてもらうための個別対応】、【地域の社会資源の状況に合わせた柔軟な看護の提供】、【円滑な在宅移行を実現するための多職種連携の実践】、【介護者が終末期の介護を完遂できるようにするための関わり】という6カテゴリが生成された。過疎地域に住む高齢者が在宅で療養生活を継続できるように、柔軟に看護を捉え、必要となるケアを行っていくことが重要であると考えられた。