看護科学研究
Online ISSN : 2424-0052
ISSN-L : 2424-0052
原著
老人保健法の基本健診を利用した高齢者の体力テストの必要性とテスト項目の提案
稲垣 敦桜井 礼子八代 利香平井 仁平野 亙洪 麗信草間 朋子
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2005 年 6 巻 1 号 p. 2-15

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抄録

本研究の目的は、高齢者の体力を調査すること、老人保健法に基づいた健康診査時に体力テスト行う可能性を検討すること、この健診のための体力テスト項目を選ぶことである。被験者は老健法に基づいた健康診査の受診者で60歳以上の831名である。42 箇所の公民館で実施された健康診査後に健康関連体力の概念に基づいた体力 -体脂肪率、握力、膝関節伸展力、長座体前屈、最大酸素摂取量、開眼および閉眼重心動揺、ステッピング- を測定した。分析の結果、平衡性が加齢に伴って最も低下し、筋力は他の項目よりも年齢と高い相関を示し、膝関節伸展力は握力よりも早く低下し、女性の筋力の低下が男性より大きいことが認められた。最近の知見を考慮すると、老健法による健康診査における体力テストとしては、体脂肪率、握力、長座体前屈、開眼片足立ちが薦められる。しかし、敏捷性と呼吸循環器系持久力については、実用的なテストを開発することが重要である。

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© 2005 看護科学研究編集委員会
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