日本腎臓病薬物療法学会誌
Online ISSN : 2189-8014
Print ISSN : 2187-0411
原著
プロトロンビン時間と血清シスタチンCを活用した非弁膜症性心房細動患者におけるリバーロキサバンの出血モニタリング
中野 敬太 石郷 友之野々山 雅俊藤居 賢北川 学木明 智子中田 浩雅宮本 篤
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2020 年 9 巻 3 号 p. 355-361

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抄録

リバーロキサバンにはワルファリンにおけるPT-INRのようなモニタリングの指標がないため、プロトロンビン時間(PT)と腎機能がリバーロキサバンのモニタリングの指標として有用であるかを検討した。

対象は2013年11月1日から2018年4月30日の期間にリバーロキサバン10mgを入院前より服用中の症例とした。主要評価項目は出血の有無とPT、クレアチニンクリアランス(CCr)、血清シスタチンCに基づく推算糸球体濾過量(eGFRcys)の関連性とした。対象となった症例は40例(女性14例)、平均年齢は71.5±8.1歳であった。便潜血陽性を出血有りと定義し、40例中9例で出血が認められ、出血群では非出血群と比較して有意にPTが延長し(平均 ±standard deviation:17.0±2.1 s vs 15.3±1.9 s、p=0.031)、腎機能は低値であった (CCr:44.6±15.7 mL/min vs 59.5±20.1 mL/min、p=0.047、eGFRcys:39.4±12.6 mL/min vs 57.6±18.5 mL/min、p=0.009)。出血の有無とPT、腎機能との関連について、ROC解析から求めたカットオフ値はそれぞれPT:16.1 s(感度 :77.8%、特異度 :61.3%)、CCr:42.1 mL/min(66.7%、77.4%)、eGFRcys:46.1 mL/min(77.8%、74.2%)であった。

本研究結果より、リバーロキサバン服用症例ではCCrに加えてPTとeGFRcysが出血のモニタリング指標となる可能性が示唆された。

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© 2020 一般社団法人 日本腎臓病薬物療法学会
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