日本鳥学会誌
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原著論文
ウミウの採餌トリップ長の個体変異が繁殖成績に及ぼす影響
越智 大介綿貫 豊
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2008 年 57 巻 2 号 p. 133-139

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抄録

海鳥類は,一般に採食域に個体変異が存在し,それに応じて採餌トリップ長にも個体変異がある.採食域の個体変異が繁殖成績に与える影響を検証するために,ウミウPhalacrocorax filamentosus親個体について異なる採食域に分布する二つの餌タイプ間(表層魚,中・底層魚)で持ち帰った餌量を比較し,帰巣パターンを記載した.その結果,ウミウが持ち帰る餌量には餌タイプ間で差が見られなかった.また,採餌トリップ長には有意な個体変異が見られ,短いトリップを繰り返す個体は長いトリップを繰り返す個体に比べ給餌頻度が多く,結果として高いヒナ巣立ち率を達成できることが明らかとなった.

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© 2008 日本鳥学会
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