日本鳥学会誌
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原著論文
秋季の北太平洋北海道東部海域における潜水採食性および表面採食性海鳥の採食ハビタット利用
伊藤 元裕綿貫 豊
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2008 年 57 巻 2 号 p. 140-147

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抄録

秋季の北太平洋の北海道東部海域は様々な種の海鳥の重要な採餌海域である.この海域の大陸棚,大陸棚斜面および深海域において海鳥の分布を明らかにするために,2003年9月27~29日の3日間,北海道大学水産科学院練習船おしょろ丸によって目視観測を行った.襟裳岬西方は津軽暖流域 (>19℃) であり,東方は親潮域 (<14℃) であった.海鳥の採餌個体数密度は,一次生産が高く餌が豊富であると予測される親潮海域の大陸棚域(フロント域を含む)及び大陸棚斜面域で高かった.これらの海域の中でも,潜水採食種(ウトウ,Puffinus spp.)はフロント域や大陸棚で密度が高く,表面採食種(オオミズナギドリ,コアホウドリ)は大陸棚斜面域で密度が高かった.

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© 2008 日本鳥学会
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