2014 年 63 巻 1 号 p. 43-47
ケリの生活史や繁殖生態を理解するためには,成長段階の早い時期からケリ雛の性別を知る必要がある.本研究では,簡便かつ確実なケリ雛の性判定法を確立するために初毛羽の基部からのDNA抽出を試みた.その結果,初毛羽からPCR増幅に十分量のDNAを得ることができた.加えて,この方法により京都府南部における17巣30個体のケリ雛の性を,雌14個体,雄16個体に判別することができた.即ち,初毛羽からのDNA採取の手法は簡便であるだけでなく,雛へのストレスを軽減する手法として有効であることが示された.