理学療法学Supplement
Vol.35 Suppl. No.2 (第43回日本理学療法学術大会 抄録集)
セッションID: 701
会議情報

神経系理学療法
脳卒中片麻痺者の立ち上がり動作分析
立てたとき,立てなかったとき
斎藤 均, 萩原 章由, 北川 敦子, 小川 明久, 溝部 朋文, 石間伏 彩, 金子 俊之, 福王寺 敦子, 熊木 由美子, 阿部 成浩, 渡邉 沙織, 尾﨑 寛, 前野 豊, 山本 澄子
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キーワード: 片麻痺, 立ち上がり, 重心
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抄録
【目的】我々は,三次元動作解析装置を用いて,片麻痺者の立ち上がり動作を主に重心・COPの左右方向の動きと麻痺側・非麻痺側の荷重に着目し分析を行ってきた.今回,過去に94回測定した中から,同一測定中に立てたときと,立てなかったとき(離殿したものの立ちきれずに座っていた台に殿部をついてしまうこと)があった6例を対象に,この動作の成否における重心の動きを,床反力鉛直成分との関係から明らかにすることを目的とする.
【方法】<対象>左片麻痺・男性5名,右片麻痺・女性1名.随意性Br.StageIII:3名,IV:2名,V:1名.(全例,本研究の主旨を説明し同意を得た)<測定条件>下腿長に合わせた台からの上肢を使用しない自由な立ち上がり動作.<測定装置>三次元動作解析装置(Vicon512),床反力計(KISTLER社製).<解析項目>重心の左右方向の動き,両側の床反力鉛直成分(Fz).立てたとき(成),立てなかったとき(否)の重心・Fzを比較・分析した.
【結果】開始から離殿までの重心の左右方向の動き:(否)では開始位置より非麻痺側方向が2例,4例は麻痺側方向.(成)では1例を除き開始位置より非麻痺側方向.この1例は開始位置で非麻痺側にあった重心が離殿時,麻痺側方向(ほぼ正中)に動いた.離殿時の重心位置(開始位置を0とする):各対象の(否)と(成)の比較では,(成)では上記1例を除き離殿時の重心位置は,(否)より(1.4,2.7,3.6,3.7,4.2cm)非麻痺側方向であった.離殿時のFz:静止立位の麻痺側・非麻痺側の合計を100とした時のFzの値を(麻痺/非麻痺側)で示す.(否):(成),(47/55):(45/59),(45/55):(26/79),(34/71):(33/76),(48/63):(49/66),(37/71):(40/72),(35/60):(29/81).各対象の(否)と(成)の比較では,(否)では麻痺側Fzは4例で大きく,また,非麻痺側Fzは全例で小さかった.
【考察】離殿時の重心の動きを左右方向から見ると,(成)では非麻痺側方向であった.(否)では概ね直進か麻痺側方向であり,そのまま動作が継続すると麻痺側に能力以上に荷重しなければならなくなり,非麻痺側の力も十分に使えず立つことは困難である.また,離殿時,重心が麻痺側方向であった例は,ほぼ正中での離殿となり,非麻痺側の力も弱く麻痺側の力も使わないと立てなかった症例と考える.今回の対象のような立ち上がり動作に成否があり,麻痺側下肢の支持能力が不十分な段階では,非麻痺側方向に重心を動かし,非麻痺側に多く荷重をして立つほうが動作の失敗が少ないといえる.また,立てたときではFzが非麻痺側で大きかったことから,非麻痺側からのさらなる力が加わることで,重心が上方に向かい立ち上がることができたと考える.
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© 2008 日本理学療法士協会
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